逆効果。
毎年この時期になると、部屋の中を整理しなければと、矢もたてもたまらなくなる。
いま、部屋の中は衣類、本やCD、山のような書類が散乱している。
その惨状のすべてをお見せするのは、いくら僕でも恥というものがあるので、ほんの一部、雑多な紙類を突っ込んだGAPの紙バッグだけお見せしておく。
こんな紙袋がいくつも室内に山積みになっているといえば、そのひどいありさまがご想像できるのではないでしょーか。
先に申し上げておくと、これは一見ゴミに見えるかもしれないが、けしてゴミではない。必要なものなのだ。
……というのはゴミ屋敷の住人がよく口にするセリフだ(笑)。
ともかく、寒い間はコタツや布団にもぐり込んだまま身動きできないので、よけいに散らかりがひどくなってしまう。
暖かくなってくると少し動けるようになって、片付けねばという気になるのだろう。
あるいは暑さ寒さに関係なく、春というのは身体の中から、そういう生命力がわき上がってくる季節なのかもしれない。
というわけで部屋の整理を始めたら、整理する前よりひどい状態になってしまった。
これまで乱雑ではあっても、どうにか棚へ押し込んだり積み重ねておいたモノたちを、整理のためいったん全部、白日のもとに掘じくりだすからで、
それは透明に澄んでいた水をかきまわすと、底にたまっていたドロが拡散されて濁ってしまうのに似ている。
あーあ、整理しようなんて思わなきゃ、こんなに散らかることもなかったのに。
部屋のありさまを眺め、ボー然としている。
結局かたづかないまま、季節だけが過ぎていくんだろうな ……